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(20)
父は、若き妻を祖国におきざりに、
なすすべもなく財もなく、
幼児を遺したまう。馬に乗り東方へと。
さすればディートリッヒは、父を失いがたし
輩〔〕としたろう:無二の親友と。
(25)
[しかせども父は、]ディートリッヒの股肱の忠臣は、
オドアケルに対しての、大いなる憤りを、ともに分かち合う。
つねに軍の前衛〔〕に駒を進ませ、
いずれの戦いにても、すすんで馳せ参じたり、と伝い聞く。
勇敢をきわむ者ならざれば、なせるまいに。もう生きておられるとも思われぬ」
(30)
「我、天空の神を証人として誓う、」と、かくヒルデブラントは云えリ。
「そなた、かほどの近親を敵としてむかえたためし、
いまだかつてなきと存ず」と。
さすれば、[老将は]皇帝の黄金を鍛えた腕輪をはずし、
(35)
匈奴(フン族)の王よりさずかりし[その腕輪]を以て:
「友情のしるしにて、これを君に贈らん」などと、のたまう。
されどヒルデブラントの子ハドゥブラントは、かく答えリ:
「かような品は、槍〔〕
をもて穂先から穂先