Perlen entrollen

転々と散らばるは真珠。あゝ、糸でも弾けやしたかい?
けどもとどおり結びなおしたとてどうなろう。
それを繋ぎとめておく力は君にはないよ、愛しい人よ。

もうちょうどそんな頃合ではなかったろうか?薄明かりが暁(あかつき)を待つように、
僕は夜通し、蒼白くなるまでに君を待ちわびる。
まるで満場の客席で、顔を大きくさせた者が、
舞台の真っただ中を晴れやかに登場する君の姿を
みじんたりと見逃すまいとするように。そう、まるで入り江が沖に臨み、
はるかにおよぶ灯台をさしむけて、光にみちた空間を
投げかけようとするように。あるいは広野の川底へ、
清らかな山頂の雨が、まるで天からのごとく、下までつたわっていくように。
囚人が起立し、唯一の星から
答えを、その罪なき窓辺に求めるように。
また、ある者がそのぬくもるままの杖の
支えをみずから棄て、祭壇に備え、
横たわったままになって、奇跡をよそに起き上がれなくなるように。
わかってくれ。君が来なずものなら、僕は這いつくばって息絶えるのみだ。

求むのは君しかいない。舗道の割れ目にしても、
みじめながらも草の萌え出るのを感ずれば、春のすべてを
ねがわずにいられようか?大地の春びらきを?
月も、そのおもかげが村じの池に映るなり、
この不思議な惑星が姿を現すのを必要とはしていまいか?
いかに些細な事も、未来が[満々]に、しきりに我らのほうへ
つめよることをさしおいて、起こりうるだろうか?

君もついにはその中にいやしないか、名指せざる人よ?わずかすればもう、
僕は持ちこたえてはいられなくなる。あるいは老いさらばえるか、
子供らにおしのけられるか…