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径路刀けいろとう jinglu sword 【武器:短剣】【中国】

jinglu dao (jìng lù dāo) 径路刀 [ピンイン], ching-lu tao 徑路刀 [Wade-Giles],
ging3 lou6 dou1 [広東語]; .
[トルコ系言語の kingrak, kilij, kilidji 等の音写。「キリジ」等は、後世では 偃月刀など曲刀を意味する語となった。*1]

匈奴きょうど xiongnu (≒フン族)が使用した剣。四史(いわば中国の四大正史)のひとつである、『漢書』〔匈奴伝〕にみえる*2

 また『史記』〔周本紀〕*3では 周の武王 (Wu Wang )が、おんみずから手をくだして 殷王朝(商)最後の代となった紂王ちゅうおう (Zhou Wang 纣王 ) を殺し、そのとき使用した武器が軽剣 (qing jian 轻剑 ch'ing chien 輕劍 ) あるいは 軽呂けいろ (qing lü 轻吕 ch'ing-lu 輕呂) であったという*4
 右欄の白川の引用でわかるとおり、武王は「ケイロ」すなわち「径路けいろ刀」で紂王を討ったのだ。

 ここのところは小説では異なっており、『封神演義』第97章*5 では紂王が宮殿に火を放って焼死し、武王が新王朝をうちたてて即位する運びとなっている。

 また、考古学上は、「径路刀」は、アジア遊牧民の⇒アキナケス剣 の一種に分類するみかたもある。
* 1 日本語の文献では白川静『中国の神話』第6章に
『逸周書』の〔克殷解〕や『史記』〔周本紀〕にみえる軽剣、軽呂けいろや、『漢書』〔匈奴伝〕の径路けいろは匈奴系の語で、おそらく kilidji の対音であり、. .
とあるが、白鳥庫吉(1865〜1942)が指摘したとのこと。
 なお、現代中国読みだと「ジンル」となり、「キリジ」にあまり音が似なくなっている。

* 2 Book of Han "Chapter: On the Huns" 《汉书·匈奴传》《漢書·匈奴傳》, 起草は 班彪 Ban Biao (紀元 3~54 年)

* 3 "Book of the Zhou Dyansty" in the Records of the Great Historian of Sima Qian (145 ~86 BC) Shiji 《史记 》〈周本纪〉 《史記》〈周本紀〉

* 4 ここでも現代中国発音だと「径路」が「ジンル」、「軽呂」が「チンルー」と 分かれてしまっているが、かつては同音だったとみなされる。

* 5 『封神演義』許仲琳バージョン、1566年頃成立。
= The Investiture of the Gods Fengshen yanyi 《封神演义》 (Xu Zhonglin 许钟琳)

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