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バルスウェンデン(パルスウェンディン) 【武器:剣】 【シャルルマーニュ伝説】

Balswenden (デア・シュトリッカー『カルル大帝』)[中期高地ドイツ語]
Palswendin (僧コンラート『ローラントの歌』 [中期高地ドイツ語(バイエルン/シュワーベン方言)]*1

ドイツの伝承につたわる剣名。異教徒勢、サラゴーツ Sarragôz の王マルジリエス Marsilies の十二将のひとり、 トルトーゼのタルギース Targîs von Tortôse*2 がもち、それでルオラントRuoland をかならず討ち取ってみせるとうそぶく。(デル・ストリッケル(デア・シュトリッカー) der Stricker 作『カルル大帝』 4503 行)。

僧コンラートの『ローラントの歌』では、異教徒勢の興国がサラグーツ Sarraguz であるなど、綴りがわずかに違うが、同様の内容である:
されば来たのはトルトゥロゼのタルギス uon Tortulose Targis、 「さてだな、聡明かつ崇高なるわが王、わが妻の父君よ、」 [とマルジリエス王 Marsilies に]語りかける、 「もしもやだ、われがローラントRolantの首級をあげて陛下にもたらし、その名声に浴すことをマホメットがゆるしたまうならばだ。 きゃつめの傲慢ちきを、ぜひとも終わりにしてくれようではないか。やつめは[シャルル]皇帝の御前に立ちおって、剣を抜くや、 陛下をさげすまんばかりの雑言をはいたうえ、全世界をひれ伏させ、わが主君に朝貢させますなどと、ぬけぬけとぬかしおりまするぞ。 されば、この良き剣パルスウェンディン Palswendin を、やつめの心の臓の血で砥いでやりましょうぞ。 なぜに、陛下もじゅうじゅうご承知のごとく、われにとって陛下の光栄が大事なのは、ローラントが主君の光栄を尊ぶにけして劣りませぬゆえ。
(J.W. Thomas 散文英訳に拠る。 Konrad der Pfaffe 作『ローラントの歌 ( Rolandslied) 3698行 ).

 ただしフランス語版、つまり『ロランの歌』第七五詩節 916行-では、この人物にあたるトルトローズのチュルジス Turgis de Turteluse は 「自分のよき長剣」で、ロランの剣⇒デュランダルと刃を交えてみせましょうぞ、と自慢するだけで、 剣名までは挙げていない。

 また、ロンスヴォーの戦いでじっさいに本番になると、このチュルジスはフランス側の騎士アンセイスの挑戦を受け、殺されてしまっている。 口ほどにも無いやつなのだ。 (Anseïs, 『ロランの歌』第一〇〇詩節 1281行-、 Ansîse 『カルル大帝』 5733 行)
*1 剣名の由来は、ボートワン Baudouin [仏] (逆臣ガヌロンの実子で、ロランとは父違いの兄弟?) ではないかと思う。 ドイツの伝承では、ガヌロンはオリボリスOliboris[独] (=*Climborins[仏])より兜を贈呈され、 それを幼い息子のバルデウィン Baldewin[独] に相続させることがかなえば、と歎ずる。

*2 スペインのトルトーサ市。『オレンジ公ギヨーム (Guillame d'Orange)』の武勲詩では、 夭折の騎士ヴィヴィアン Vivien の本拠地とされる地である。

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