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Aroundight アロンダイト 【武器:剣】【アーサー伝説】【英国ロマンス】

Aroundight (ケンブリッジ大学 Caius College 写本/ Ellis 著 『SEEMR』「Sir Bevis」に拠る *1),
Aroundyȝt*1 (同 Caius College 写本 = Kölbing 編の "E." テキスト *2 ),
Raudoudeyn, Randondeyn (現・大英図書館 Egerton 2862 写本 =旧・Sutherland 公爵所有の写本 = Kölbing 編の"S." テキスト *2),
Rauduney (ナポリ王立図書館 XIII B, 29 写本 = Kölbing 編の "N." テキスト*2),
Radondyght (ケンブリッジ大学、繊維紙写本 FF. 2, 38 = Kölbing 編の "C." テキスト*2) [中期英語];
[* 意味は皆目不明だが、同作品にも頻出する中期英語 anonright ="ただちに"に似ているが、 これと客員を踏ませ、Arundel (ビーヴィス卿の馬アルンデル)と頭韻を踏ませた生まれたものなのか?? Brewer はÆron-dihtか?と記しているが、これは古英語として ǽron = "かつて" + diht "1) 手配、整理 2) 言質、命令、" と意味解明を試みたものかもしれない。 なお、有名な《オーヒンレック写本》(Auchinleck ms.)の『ビーヴィス』には剣名が欠けている。
]

Gastiga-Folli (バルベリーノ作『アスプラモンテ』)[伊]
[* It. "That which is luminous (light, clear)" <. chiaro ] [* = 伊 「愚者懲しめ」。よって「鸚鵡の騎士シュヴァリエ・ド・パプガウ」 ことアーサー王の剣シャスティフォル Chastiefol [古仏] =とまったく同源語(異言語同語)。]

(中期英詩『ビーヴィス』の異本で)ハンプトンのビーヴィスの息子ガイ/ギイ卿が振るってみせた剣。 ビーヴィス派の徒党と、国王の手の者とのつばぜり合いが、 ロンドン市中のまっただなかでくりひろげらるなか、 騎乗したガイ卿が披露したこの剣は、かつて湖のランスロット卿の持ち物であった。 (*ガイの乗るアラビア馬もその昔ビーヴィスが異教徒の地で勝ち取った分捕り品であり、 剣もおそらくはビーヴィスが得たものであろうか?)

また、この剣は、イタリアの作者バルベリーノが伝えるランスロット卿の剣ガスティガ=フォッリと同一かとも考えることができる。バルベリーノによれば、そもそもランスロットの剣だったガスティガ=フォッリは、そののちアントーナのブオヴォ(公)、すなわちハンプトンのビーヴィス卿が入手してキアレンツァ と改名し、やがてその末裔であるシャルルマーニュの十二臣将オリヴィエがアルタキアラ (⇒オートクレール) として佩刀するに至ったという。
*1 かつては、要約・抜粋でしかない Ellis の著書頼みだったが、このたび Kölbing 編がオンラインで 実見できることが判明し、より正確・完全なテキスト内容が把握できるようになった。
実際の中期英語スペルは、"yogh" 文字(Unicode コード16進数 021D )が使われる。 正しい表示には"Titus Cyberbit Basic"や"Junicode"フォントを入手していただきたい。 参照:Font stuff page

*2 Bevis の写本と略号については、Kölbing 編のIntroduction (vii) 以降にある。 Morglay-sources.htmにもまとめたが、まだ英文のまま。

§ 14世紀初頭・英国韻律詩『ビーヴィス卿』― エリスの抜粋・要約に拠る

 エリスが著した英国詩文ロマンスの紹介本*1で扱われる、 カイウス・カレッジ写本版の『ビーヴィス卿』にアロンダイトの名が見受けられる。
 ランスロットの剣名が言及されるのは、ロンドン市中騒動の場面だ。

 このエピソードは、物語が終盤に近づき、のこりの二行連句も、のこりわずかとなった あたりで描かれている。大筋は定本(《オーヒンレック写本》版*2と同様である。

ことの騒ぎのはじまりは、ビーヴィスに生涯つくした忠臣で、養父でもある老セイバー/サベール Saber が、その息子ロバートの所領がエドガー王によって召し上げられた報をうけたことだった。 そこでビーヴィスは、妻のジョシアンや、息子のマイル(ズ)とガイをひきつれて、 セイバーやその息子のテリーとともに、王に嘆願しにいくことにした。
 しかし願いは聞き入れてもらえず、却下。そればかりか腹黒い陪臣、宮宰のブライアント卿に篭絡され、王は市中の門の閉鎖令と、ビーヴィスの生死問わずの逮捕状を発令する。
 ビーヴィスとその一門は抵抗し、激戦は巷間におよび、ロンドン市民をまきこむことになる。

ビーヴィスの息子たちのいでたちについては、こう歌われている:
Sir Guy bestrode a Rabyte,1
That was mickle, and nought light2,
That Sir Bevis in Paynim londe
Hadde i-wunnen with his honde.
A sword he took of mickle might,
That was y-cleped Aroundight,
It was Launcelot's du Lake,
Therewith he slew the fire-drake3.
The pomel was of charbocle4 stone;
(A better sword was never none,
The Romauns tellyth as I you say,
Ne none shall till Doomesday.)
And Sir Mylys there bestrid
A dromounday,5 and forth he rid.
That horse was swift as any swallow,
No man might that horse begallowe.6

1 An Arabian horse. 2 Weak. 3 Fiery dragon.
4 Carbuncle 5 A war-horse. 6 Out-gallop

—Caius 175 写本テキストの要約・抜粋より。
George Ellis 著、Sir Bevis of Hamptoun,
SEEMR, pp.280-281

*1

本のテキストのイメージ画像 (部分)
定本《オーヒンレック写本》*2との比較は右欄参照。

{テキスト和訳}
ガイ卿がまたがるはアラブ馬、この巨馬、軽装にあらず、
ビーヴィス卿が異教徒の地にて、手ずから分捕ってまいりし物なり。
その手に取りし猛威の剣、アロンダイトと呼びしは、
かつて湖のランスロットが火竜を倒せしその剣なり
柄頭はカーバンクル石ごしらえ。(これにまさる剣なく、
劫末の日までなかろうかと、我いま語る物語は伝う)
マイルズ卿は、駱駝にまたがり、前に駆る、
その駒の疾きこと、まるで燕のごとし、 何者も怖気づかすことおよばず。

 重ねて言うが、ランスロットの剣アロンダイトという記述は、Ellis の著書で要約・抜粋されている 《カイウス・カレッジ写本》 "Caius College Ms." (Cambridge University, Gonville and Caius 175, fols. 131v-156r, 略称 "CC"テキスト)にのみ見える。《オーヒンレック写本》にある定番テキスト*2, *2a, (National Library of Scotland, Auch. fols. 176ra-201ra)にはない。

ただし、 どちらの写本にも、ビーヴィスと比較しうる歴代の竜退治者ドラゴンスレイヤーのひとり として、ランスロット卿を挙げている。(*"A"テキストでは、竜の狩猟者ハンターのなかにワーデ[=鍛冶師ウェランドの 父]を挙げていることに注目したい)。

*1 Ellis, George, 1753-1815 ed.,
Specimens of early English metrical romances (London : Longman, Hurst, Rees, and Orme, 1805年) vol. 2 (of 3), pp. 239-281 "Sir Bevis" に、この写本のバージョンが要約・抜粋されている。

エリス氏がもちいたの(ケンブリッジ大学)カイウス・カレッジ写本 "Caius Coll. MS."(第 131v-156r 葉) が定本で、欠損箇所をピンソンの印刷本 "Pynson's printed copy" (= Bevis of Hampton Emprynted by Rycharde Pynson, 1503?年)で補ったとのこと。




*2 定本『ビーヴィス』だが、 酒見研究室に酒見紀成氏による 《オーヒンレック写本》『Beues』の 新訳がアップされたので、上の訳文などの参照や物語の通読にぜひご利用されたし。
 原文は、スコットランド国立図書館の《オーヒンレック写本》サイト無い、 第176ra-201ra 葉に収容される"Sir Beues of Hamtoun "。または、より読みやすくアレンジした Camelot Project 版 もあるし、 以下で挙げるKölbing 編 もある。


*2a

§ Bevis of Hamptoun (14 世紀初頭) 複数の写本 ― Kölbing 編本による

(+ -----(補遺)-----

 このたびオイゲン・ケルビング Kölbing の比較校訂版*1(手写本6種と現存最古の断片でない印刷本1点を底本)を拝見し、ランスロットの剣名があるのは Caius College 175 手写本のみではないことが判明した。
 以下は、ケルビングによる"E."テキストつまり Caius College 175 写本の謄写である。 そして異本の差異が脚注に書かれており、ランセロットの剣も「アロンダイト」とは若干、違った名前に なっていることがわかる。 すなわち、"S."テキストである、旧サザランド公爵所有の写本、現在の大英図書館, formerly Duke of Sutherland's manuscript, now British Library Egerton 2862 写本では、 剣は ラウドウデイン Raudoudeyn もしくはランドンデインRandondeynといい、ナポリ王立図書館のテキストではラウドゥネイ Rauduneyで、ケンブリッジ大学繊維紙写本 FF. 2, 38. ではラドンダイトRadondyghtになっている。

 念のため言うが、以下に挙げるひとかたまりのテキストは、上でエリスが引用した箇所と同じである。 ただ、こちらは謄写の精度が高い。

Sere Gy bestrood a rabyte,
Þat was mochyl & nouȝt lyte,110
Þat sere B. wiþ hys hond
Hadde iwounnen in paynyme lond.
A sword he took off mochyl myȝt,
Þat was iclepyd Aroundyȝt ;
It was Launcelettys þe Lake,115
Þere wiþ he slewȝ þe ffyrdrake ;
Þe pomel was of charbocle ston,
A betere sword was neuere non,
Þe romaunce telliþ, as I ȝow say,
Ne non schal tyle domys day; 120
And sere Mylys þere bestryt
A dromounday and forþ he ryt;
Þat hors was swyfft as ony swalwe,
No man myȝte þat hors begalewe.
þey token here leue at Pountenay, 125
And ouer Tempse þey token þe way ;


:
114 .. Raudoudeyn or Randondeyn S; Rauduney N; Radondyght C. 115 .. Launcelet S. 116 .. Many a croun þer with was crake SNC. 117 .. pomel] hylte C.
Kölbing, pp.209-210, "E" text (Caius ms.) variant on "A" (Auchinleck ms.) text ll. 4313-4582


 なお、ケルビング (Kölbing) 編*2b の 異本テキストに見られる同じくだりでは、ビーヴェスや息子らの装備の内容がさらに異なる。
そこでは、かつて「湖のランセロットの」所有だった剣は、アロンダイトなど特に名では呼ばれておらず、 ただビーヴィスの名剣⇒モーグレイ (モルゲライ) をおいてほか、 いかなる剣にもひけをとらない逸品だということになっている。
それから、ビーヴィスの次男マイルズ(ミルズ)も、かつえロランドが所持した ⇒《コルブランドの剣》 (あるいは クルテイン )を持っていたことになっているのだ。 なお、ビーヴィスの長男ガイの装備については、この作品に詳しくない。
---------------+) (酒見訳では主人公はビーヴェス、息子たちはミルズ卿とガイ卿になっている)



*1 p.210, Kölbing, Eugen, 1846-1899 and Schmirgel, Carl ed.The romance of Sir Beues of Hamtoun, Ed. from six manuscripts and the old printed copy, with introduction, notes, and glossary, by ... (London: Pub. for the Early English Text Society by K. Paul, Trench, Trübner & Co., 1885, 1886, 1894.)
*1a AroundyŠt using the Nat'l Library of Scotland site system.





§ アングロ・ノルマン起源(12世紀後期)

 ウェブ上でみつかる「アロンダイト」の典拠のわずかな手がかりとしてArthuriana A2Z の "Arondight"の項に 「ノルマンのロマンスで湖のランスロット」という記述がある。何ともじれったい言葉少ななヒントで、 私の今回の発掘にも、けっきょく一役すら買わなかった。

 しかし中期英語詩「ビーヴィス卿」がアングロ=ノルマン語("英国を征服したノルマンディー公らの古期フランス語)で書かれた作品を 「翻案したものである」("translation from the Anglo-Norman" (Ellis の序文)ということは万人意見が一致するところである。

ただし、ビーヴィスの竜退治のエピソードや、終盤の「. . ロンドン市中の戦争. .は、アングロ=ノルマン版 にはない」("Bevis' battle with the dragon ..and the.. urban war in London, . . do not appear in the Anglo-Norman version" (Herzman 他、序文) とのことである。
つまり、現存するBoeve de Haumton*3 アングロ=ノルマン詩(12世紀後期-13世紀初頭)は、大筋では、中期英語詩と同じなのだが、中期英語詩でランスロットの名が出される二つのくだりは欠けているということなのだ。  なので、また、アングロ・ノルマン版の詩の編者 Stimming がコンパイルした名前目録(Namenverzeichnis)を見れど、ランセロットの名は無い(Lancelin という名の敵はいる)し、アロンダイトにしろなんにしろモルグレー以外の剣名は見えない。ランセロットが登場しないことは、Langlois の『固有名詞表』*4 を引いても確認できる。

 ちょうどいい機会なので、"ビーヴィス" にあたる名を持つキャラクターは、じつはフランスの作品では かなり頻出するということを紹介したい。 また、そのスペルも Buevon のほか、— Beuves, Beuvez, Bevon,Boef Boevon, Bovon, Buef, Bues, Buevess, . .等々とあり、じつに変化(異つづり)に富んでいる。 よってネット検索にしろ字引きにしろ骨がおれることを認識していただきたい。
 さて、Langlois 著『(フランス武勲詩の)固有名詞表』では Buevon と同名の 人物を23人挙げている。そのなかにはアングロ・ノルマン詩の「ブーフ・ド・オントーヌ Boef de Haumtone」もいるが、 もうひとり「アロンダイト」に関連する人物がいる。シャルルマーニュ武勲詩『ヴィエンヌのジラール』 Girart de Vienne で、十二騎士オリヴィエの祖先にあたる 髭のブーヴ公 (Bueves li barbés [古仏]=Duke Beuvon the Bearded [Newth 英訳] ) という人物だ。 その理由は次節(イタリア作品編)を読めばあきらかになるだろう。
*3 アングロ=ノルマン語の武勲詩『ビーヴィス』= Stimming, A. [Stimming, Albert, 1846-1922年] 編 Der anglonormannische Boeve de Haumtone (Bibliotheca normannica, Vol. XII) (Halle : M. Niemeyer 社 1879-1938.)

*4 ラングロワの武勲詩固有名辞典= Langlois, Ernest (1857-1924 年) 編 Table des noms propres de..(再版 1971年) は、 約100作を網羅するが、アングロ・ノルマン『ブーヴ・ダントン』 (略号 BH) を含み、ビーヴィスの馬 (Arondel) や 剣(Murgleie 3)も掲載されている。

* ちなみに武勲詩以外の中世ロマンス(仏・プロヴァンス語)固有名辞典= Flutre 編 Table des noms propres . . は、散文『メルラン物語』など アーサーものも含むが、"Arondight" に近そうな名前はない。 Christopher W. Bruce 編 The Arthurian Name Dictionary は、250 作品が対象で、 5,600+項目を掲載するが、やはり"Arondight"はなかった。

§ イタリアのシャルルマーニュ物語の一篇『アスプラモンテ』

アンドレア・ダ・バルベリーノ Andrea da Barberino (1370頃生) の散文作品 『アスプラモンテ』 (L'Aspramonte)*1 にはこうかかれている:ある(ヴィエンナ市在住の)ユダヤ人が、(領主の召集に応じて)家伝の名剣を献上した。 剣に刻された文字を見ると、それはかつてランスロットが有した ガスティガ=フォッリ Gastiga-Folli という剣であり、さらにはブオーヴォ・ダントナ Buovo d'Antona すなわち「ハンプトンのビーヴィス」 が有していた頃はキアレンツァ Chiarenza と名づく剣だったというのだ。

 この剣こそウリヴィエーリ Ulivieri ([伊],=オリヴィエ)にもたらされる、かの名剣、、、、である。

 ウリヴィエーリがオルランドーとの決闘の途中で剣を折られ、替えの剣を調達するためにいったん、休戦を願い出たエピソードは、 武勲詩『ヴィエンヌのジラール』(* 前述。Bertrand de Bar-Sur-Aube 作 Girart de Vienne, 12 世紀)とも並行するし、ヴィトール・ユーゴーの『諸世紀の伝説(「ロランの結婚」)』Le Mariage de Roland (1859年)にもかたられる (* 岩波文庫『ロランの歌』(有永弘人)の第1720行の巻末註をみよ。)

 そのウリヴィエーリから「替えの剣をください」という頼みをうけたのが、伯父であるゲラルド・ディ・フラッタ Gherardo di Fratta (≒ ヴィエンヌのジラール Girart de Vienne / Girart d'Eufrate [古仏]) だった。ヴィエンナ市の領主であるジラール伯父は、 町中におふれをだして剣を集め、ユダヤ人がうやうやしく献上した、かの由緒ある業物を、アルタキアラ Altachiara (⇒オートクレール) とさらに改名し、ウリヴィエーリに佩かせたのであった。

 さて、フランス武勲詩ではオリヴィエの祖先である「髭のブヴォン公」の出自は謎なのだが、 バルベリーノの設定では、それはブオーヴォ・ダントーナこと「ハンプトンのビーヴィス」 だということになっているのだ。
 ブオーヴォことビーヴィス卿が、シャルルマーニュ伝説系統の人物だという設定は、なにも『アスプラモンテ』一篇のみにかぎったことではなく、バルベリーノのシャルルマーニュ伝説作品集『イ・レアリ・ディ・フランチア(フランス王家)』 I Reali di Francia には、 『ブオーヴォ・ダントーナ』Buovo d'Antona の巻という まるまる一篇が存在する。



*1 Boni, Marco 編 L'Aspramonte,III, xciv, (1951年)

§ Aroundight → Arondight の変異?

 CC 写本のスペル "Aroundight"と異なる"Arondight" ("u"が抜けている)、しいてはその カナ表記の「アロンダイト」でなぜ出回っているのかについては憶測するしかないが、 『Brewer』事典*1を みると"Aroundight"("u"あり)のスペルを挙げながらも、発音は "(Æron-diht?)"としている。

おそらくブリューワーは、中期英語の "ou" 現在の "ow" のような発音ではないこと、 また "g" / "yogh"子音 (ʒ) は、スコットランドの "ch" のように、喉にひっかかる「フ」音であることを強調したかったのであろう。 たとえば「騎士」"knight"という単語も、中世の頃は「ナイト」ではなく「クニヒト」と発音したのだ。 よって"Aroundight"の正しい中期英語発音も「アロゥンディヒト」あたりであろう。
[(+) * あるいはブリューワーのこれは、古期英語で: ǽron = "かつて" + diht "1) 手配、整理 2) 言質、命令、" という意味釈明の試みだったかもしれない。]

いくつかのフランス系サイトで"Arondie" というスペルでもっともらしい事柄が書かれているが(例: Châteaux celtes et chimeès: Les épées, 資料を挙げていないので何ともいえない。流布本『ランスロ』では、援軍をもらえなかったバンが滅びて、 その子ランスロを「湖の婦人」が育てて、青年になったら剣をもたせて送り出すが、ランスロは、 別の騎士が王妃グウィニヴェアグィネヴィアからもらった剣と、はやばやと取り替えっこしてしまう、という運び (いずれも剣名は無名)なはずである。同じく流布本『ランスロ』では (⇒セクエンスというアーサー所持の剣を 手にしたランスロが、アーサー王ほかを捕らえた魔女カミーユのねじろに向かうが. .



*1 『ブリューワー故事成句辞典 Brewer's Dictionary of Phrase and Fable』の Sword: "Owners' names for their swords"(剣:持ち主とその名づけた剣名)および "Sword-makers:"An alphabetical list of the famous swords::(刀鍛冶:名剣のABC順リスト)
*2 古英語・中期英語の子音 "yogh" の表示については、サイトごとにちがい、たとえばスコットランド国立図書館 サイトでは "Auchinleck" というフォントで用意したグラフィックスを"Š"(0352hex)に特殊マッピングさせている。 私の場合、 "ezh" ʒ (0292hex)で代用。

Sources:

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